タイトル:群像 2025年 4月号 | ||||
中篇一挙 | ||||
そこで火を焚く 今日がどうなってもいい。自分の身に起こるぜんぶがどうでもいい。投げやりな気持になってしまう時がある。精一杯暴れてみたいのに、せいぜい海水に足を浸すことしかできない。不適切な投稿をひたすら削除するわたしは、焚火の魔女に出会った。 | … | 片瀬チヲル | P5 | |
掌篇シリーズ | ||||
冬 寒い。あまりにも寒い。そういえばこんな猛烈な冷え込みの朝が以前にもあったーー。 | … | 筒井康隆 | P57 | |
創作 | ||||
A701 夜勤明けに銭湯へ行きはじめたのは五十五の時だから、かれこれ四年ほとんど毎日ここへ通っていることになる。三十年も勤めている清掃の仕事に苦はないが、ひとり娘の美央とは長く会っていない。 | … | くどうれいん | P162 | |
C&L CとLの文字とともに描かれた二個体の蝶の絵。かって母・雪野が住んでいた部屋で発見されたその落書きは、五歳の僕が描いたものだという。 | … | 長野まゆみ | P176 | |
新連載 | ||||
ジャッジメンタルな時代 ネガティヴ・ケイパビリティ考 絶え間のないジャッジが連続するいま、他者と「場所」を共有するためには。『ケアの倫理とエンパワメント』から続く、ネガティブ・ケイパビリティ考察の最前線。 | … | 小川公代 | P60 | |
あのころの面影 仏文回想記 翻訳こそが文学の「華」と仏文に進んだぼくは、「自由意志」の洗礼を受け論文執筆が進まない。その窮地を救ったのはだれ? 仏文学者が振り返る忘れえぬ人びと。 | … | 野崎歓 | P72 | |
『磯崎新論』刊行記念特集 | ||||
特集『磯崎新論』 田中純著『磯崎新論』を、磯崎を知る評論家と造形作家はどのように読んだのか。いまだ全貌の見えない「デミウルゴス」をめぐってーー。 | … | P79 | ||
対談 磯崎新と「日本近代建築史の終わり」 浅田彰×田中純 建築を超え芸術/反芸術の巨人である磯﨑新。その「ヤヌス」の全体像を徹底討論。 | … | P79 | ||
インタビュー シン・イソザキがヨミがえる コーラとデミウルゴスーーAIによって、新たな照明が当てられる「磯崎問題」。 | … | 岡﨑乾二郎 聞き手=田中純 | P103 | |
震災後の世界14 | ||||
太陽、月、キカイダーその後 阪神・淡路大震災と東日本大震災。わたしたちの世界を揺り動かしたふたつの出来事を思考しながら地を踏みしめ歩いたとき、太陽、月、地球を新たに発見する。宇宙の鼓動が聞こえる『あるこうまたあおう』最新作。 | … | 古川日出男 | P120 | |
ロッコク・キッチン 浜通りでメシを食う④ 中国から「身ひとつ」でやってきて、小さな町に生きる大竹さんが作る具沢山の中華丼は、人生最高の一品。うーん、うまい! | … | 川内有緒 | P145 | |
対談 | ||||
歴史の傷と向き合うために藤原辰史×いとうせいこう 暴力に覆われている世界に、どう向き合うか「国境なき医師団」の活動地を訪ねる作家と歴史学者が、戦後史に刻まれた加害と被害の傷を問い直す。 | … | P194 | ||
公共性を「作り直す」ために 宇野常寛×國分功一郎 市場からの評価、SNSでの承認が、私たちを何者かにしようとする。かってあったはずの、何者でもない誰かになれる場所は、いまどのようにして可能なのか。 | … | P208 | ||
批評 | ||||
大江健三郎論 ② 「怪物」としての主体と、作品世界の母胎となる「故郷」。大江健三郎の文学を成り立たせる二つの柱を再検討し読み解いていく。 | … | 安藤礼二 | P220 | |
不定期連載エッセイ | ||||
いま、球場にいます ⑥ プレミア12での台湾チーム優勝とU18アジア選手権大会におけるパキスタンチームの受難。野球を通して見える国際事情。 | … | 高山羽根子 | P250 | |
最終回 | ||||
セキュリティの共和国――戦略文化とアメリカ文学 ⑱ ジェンダーの問題は、セキュリティへの想像力を高めるための資源となりうるだろうか。安全保障から読み解くアメリカ文学、最終章。 | … | 新田啓子 | P256 | |
随筆 | ||||
一分間の悪事 | … | 神野藍 | P370 | |
連載 | ||||
鳥のいない国 第 3回 | … | 円城塔 | P272 | |
きょくあじさしとくさのこ姫 第 4回 | … | いしいしんじ | P287 | |
私的応答 第 6回 | … | 井戸川射子 | P298 | |
世界は誤訳でまわってる 第 5回 | … | ブレイディみかこ | P305 | |
Wet Affairs Leaking 第16回 | … | 阿部和重 | P318 | |
口訳 太平記 ラブ&ピース 外道ジョンレノンを根絶せよ 第12回 | … | 町田康 | P326 | |
鉄の胡蝶は夢の記憶に歳月に彫るか 第80回 | … | 保坂和志 | P340 | |
ことばと演劇 第 3回 | … | 平田オリザ | P388 | |
くぼみにふれる 第 3回 | … | 百瀬文 | P396 | |
可愛い哲学 第 3回 | … | 三木那由他 | P402 | |
九鬼周造 第 2回 | … | 星野太 | P372 | |
あいまいな世界の愛し方 第 4回 | … | 田村正資 | P409 | |
音と言葉のデジタリティ 第 5回 | … | 大谷能生 | P418 | |
リアルなインターネット 第 6回 | … | 竹田ダニエル | P431 | |
夫婦はどこへ? 第 7回 | … | 三宅香帆 | P437 | |
小説を探しにいく 第10回 | … | 小川哲 | P445 | |
習い事だけしていたい 第10回 | … | 酒井順子 | P450 | |
ストーリーワイズ 第10回 | … | 立川小春志 | P455 | |
西高東低マンション 第11回 | … | 武塙麻衣子 | P460 | |
父たちのこと 第 7回 | … | 阿部公彦 | P466 | |
不浄流しの少し前 第13回 | … | 鈴木涼美 | P478 | |
誰もわかってくれない――なぜ書くのか 第14回 | … | 武田砂鉄 | P482 | |
天皇機関説タイフーン 第15回 | … | 平山周吉 | P487 | |
ゲは言語学のゲ 第21回 | … | 吉岡乾 | P504 | |
僕と「先生」 第 8回 | … | 長瀬海 | P514 | |
海をこえて 第19回 | … | 松村圭一郎 | P532 | |
群像短歌部 第19回 | … | 木下龍也 | P538 | |
文化の脱走兵 第29回 | … | 奈倉有里 | P551 | |
現代短歌ノート二冊目 第54回 | … | 穂村弘 | P560 | |
日日是(にちにちこれ)目分量 第56回 | … | くどうれいん | P556 | |
星占い的思考 第61回 | … | 石井ゆかり | P548 | |
書評 | ||||
『ハザマの思考 なぜ世界はニッポンのサブカルチャーに惹きつけられるのか』丸山俊一 | … | urbansea | P564 | |
『虚傳集』奥泉光 | … | 大森望 | P566 | |
『メアリ・シェリー『フランケンシュタイン』から〈共感の共同体〉へ』シャーロット・ゴートン | … | 児玉美月 | P568 | |
『セルフィの死』本谷有希子 | … | 齋藤明里 | P570 | |
『4321』ポール・オースター | … | 下條恵子 | P572 | |
群像Web紹介ページ | … | P574 | ||
第69回群像新人文学賞応募規定 | … | |||
執筆者一覧 | … | P578 |
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