タイトル:群像 2025年 1月号 | ||||
創作 | ||||
江戸の錬金術師 猫好きの蘭方医・薗蔵瑞軒は、「雷神」に関心を寄せる学者か、奇抜なからくりで人を驚かす山師か、はたまた別のなにかなのか。 | … | 奥泉光 | P5 | |
自己愛的な変質者のレクイエム 蘭が夫の悪口を捲し立てるから、結菜は思わず満面の笑みを浮かべる。蘭の提案はどれもぶっ飛んでいるけれど、そのひとつひとつをはっきりと想像してしまう。 | … | 金原ひとみ | P27 | |
特別エッセイ | ||||
風景の再発見 柳田国男と新渡戸稲造 一九六○年、東京に出てきたばかりの一八歳の私が出会った原風景。のどかであると同時に陰鬱な田園の風景に、コロナ禍に出会い直す珠玉のエッセイ。 | … | 柄谷行人 | P52 | |
新連載 | ||||
創作 きょくあじさしとくさのこ姫 都の一隅に住みくらす盲目の姫君のもとに、一羽の鳥が舞いおりる。その旅鳥のあげる音声は異国の言の葉だった。 | … | いしいしんじ | P60 | |
批評 大江健三郎論 第一部 作家の誕生 新たな小説を書くたびにその作品世界を大きく変容させてきた大江の中で、維持され続けてきた「表現の核」。その起源へとさかのぼる探究がスタート。 | … | 安藤礼二 | P76 | |
批評 あいまいな世界の愛し方 複雑な掛け算でできている、「世界」と「私」の関係性。哲学のレンズを通したら、いったい何が見えるのだろう? ささやかな日常が愛おしくなる、未知と発見のレポート。 | … | 田村正資 | P118 | |
批評 九鬼周造 九鬼周造をめぐって、いま何を語るべきかーーさまざまなクリシェによって覆い隠されている「テクスト」を読む試み。話題作『食客論』の著者による待望の新連載。 | … | 星野太 | P126 | |
野間文芸賞・野間文芸新人賞発表 | ||||
第77回野間文芸賞受賞作 「列」中村文則 受賞のことば/選評(奥泉光/佐伯一麦/多和田葉子/町田康/三浦雅士) | … | P134 | ||
第46回野間文芸新人賞受賞作 「月(ちち)ぬ走(羽)いや、馬(うんま)ぬ走(は)い」豊永浩平 受賞のことば/選評(小川洋子/川上弘美/川上未映子/高橋源一郎/長嶋有) | … | P138 | ||
『無形』刊行記念小特集・井戸川射子 | ||||
対談 発見の言葉がある小説 川上弘美×井戸川射子 長篇小説はどのように始まり終わるのか。推敲、人物造形、人称・・・・創作の秘密が煌めく待望の対話。 | … | P146 | ||
書評 毛細血管状の豊饒 言葉がつねに世界のあり方に驚いている。「団地小説」の抒情を抑制し、細かく小さく生の機微をとらえていく。 | … | 阿部公彦 | P158 | |
本の名刺 私の見たことない形 | … | 井戸川射子 | P163 | |
小特集・MPC | ||||
冒頭抄録 MIDNIGHT PIZZA CLUB その男は突然やって来たーー阿部裕介、上出遼平、仲野大賀の三人はいかにして出会ったのか。ネパール旅前夜、ミッドナイト・ビッツァ・クラブ結成秘話を特別掲載。 | … | 上出遼平 | P168 | |
座談会 Re:上出遼平 旅の裏側、今度は僕らが語ります! 仲野太賀×阿部裕介 『MPC』本編中で好き放題書かれた二人が、「上出被害者の会」を発足。一言モノ申す・・・・はずが、あふれ出したのは楽しかった思い出ばかりでーー。 | … | 聞き手伊賀大介 | P174 | |
往復書簡 | ||||
「生き残る」ということをめぐる、問いについて 石井美保×前田啓介 生者たちが抱え続ける、なぜ自分は生き残ったのかという問い。戦場を生き延びた人たちの声を聞き続けてきた二人が交わす手紙から浮かび上がってくるもの。 | … | P194 | ||
追悼・鈴木道彦 | ||||
正義への道 | … | 野崎歓 | P222 | |
追悼・髙橋秀実 | ||||
ひょっこり現れる | … | 武田砂鉄 | P225 | |
追悼・谷川俊太郎 | ||||
また遊びに行きます | … | 小野絵里華 | P228 | |
谷川俊太郎の六首目 | … | 木下龍也 | P231 | |
そんなとき隣に詩がいます | … | 鴻上尚史 | P235 | |
あなたの心はここにある。 | … | 最果タヒ | P238 | |
谷川俊太郎さんのこと | … | 文月悠光 | P242 | |
不定期エッセイ | ||||
いま、球場にいます⑤ 「最後の試合を現地で見たい」ーー贔屓チームの応援に行ったスタジアムに「もののけ」を呼びこんだささやかな執念。 | … | 高山羽根子 | P246 | |
本の名刺 | ||||
本の名刺 小池水音/紗倉まな/白岩英樹/田中純/松永K三蔵 | … | P252 | ||
最終回 | ||||
計画する先祖たちの神話 第 4回 南方熊楠との交流を通じて〈信仰〉と国の政策の関係に目を向け、平田篤胤の影響で民俗学へ導かれた柳田国男の軌跡をたどり直す。 | … | 長﨑健吾 | P268 | |
日吉アカデミア一九七六 第13回 日吉にあると思い込んだアカデミア。一九七六年への記憶の旅がたどり着いた場所とは。 | … | 原武史 | P286 | |
随筆 | ||||
素敵なオカルト | … | 岡野大嗣 | P144 | |
別れに戻ってゆくわたしたちは | … | 永方佑樹 | P192 | |
ある日の直線的で曲線的なグラデーションの自画像 | … | 長嶋りかこ | P302 | |
放たれたページ | … | 山元伸子 | P460 | |
連載 | ||||
私的応答 第 3回 | … | 井戸川射子 | P304 | |
Wet Affairs Leaking 第13回 | … | 阿部和重 | P311 | |
口訳 太平記 ラブ&ピース 外道ジョンレノンを根絶せよ 第10回 | … | 町田康 | P320 | |
鉄の胡蝶は夢は記憶に歳月に彫るか 第77回 | … | 保坂和志 | P335 | |
音と言葉のデジタリティ 第 2回 | … | 大谷能生 | P364 | |
せんそうって 第 3回 | … | 永井玲衣 八木咲 | P378 | |
わたしたちの世界の数理 第 5回 | … | 全卓樹 | P392 | |
リアルなインターネット 第 4回 | … | 竹田ダニエル | P402 | |
夫婦はどこへ? 第 4回 | … | 三宅香帆 | P412 | |
小説を探しにいく 第 7回 | … | 小川哲 | P421 | |
習い事だけしていたい 第 7回 | … | 酒井順子 | P426 | |
ストーリーワイズ 第 7回 | … | 立川小春志 | P431 | |
西高東低マンション 第 8回 | … | 武塙麻衣子 | P436 | |
不浄流しの少し前 第10回 | … | 鈴木涼美 | P442 | |
第ゼロ次世界大戦 第11回 | … | 鹿島茂 | P446 | |
誰もわかってくれない――なぜ書くのか 第11回 | … | 武田砂鉄 | P462 | |
デビュー前の日記たち 第11回 | … | 宮内悠介 | P466 | |
天皇機関説タイフーン 第12回 | … | 平山周吉 | P478 | |
セキュリティの共和国ーー戦略文化とアメリカ文学 第15回 | … | 新田啓子 | P494 | |
ゲは言語学のゲ 第18回 | … | 吉岡乾 | P506 | |
僕と「先生」 第 7回 | … | 長瀬海 | P516 | |
海をこえて 第16回 | … | 松村圭一郎 | P538 | |
星沙たち 第16回 | … | 青葉市子 | P533 | |
文化の脱走兵 第26回 | … | 奈倉有里 | P544 | |
現代短歌ノート二冊目 第51回 | … | 穂村弘 | P551 | |
日日是(にちにちこれ)目分量 第53回 | … | くどうれいん | P554 | |
星占い的思考 第58回 | … | 石井ゆかり | P548 | |
〈世界史〉の哲学 第162回 | … | 大澤真幸 | P558 | |
書評 | ||||
『SNS時代のカルチャー革命』武田ダニエル | … | 安堂ホセ | P576 | |
『コード・ブッダ 機械仏教史縁起』円城塔 | … | 釈徹宗 | P578 | |
『もの想う時、ものを書く』山田詠美 | … | 武塙麻衣子 | P580 | |
『僕たちの保存』長嶋有 | … | 平岡直子 | P582 | |
『耳に棲むもの』小川洋子 | … | 吉田篤弘 | P584 | |
『大使とその妻(上・下)』水村美苗 | … | 吉原真里 | P586 | |
群像Web紹介ページ | … | P574 | ||
第69回群像新人文学賞応募規定 | … | |||
執筆者一覧 | … | P594 |
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